いざ、お子さんのために塾を選ぼうとした時、どういう基準で選べばいいのか悩みますよね。
せっかくお子さんの将来を考えて、決して安くはないお金を払って塾に通わせるわけです。後悔のない選択をしたいですよね。
塾選びに失敗すると、勉強ができるようになるどころか、
- 塾が楽しくない
- 結果が全然出ない
- もっと勉強が嫌いになる
- 親子で嫌な思いをしてしまう
なんてことにもなりかねません。そこで、塾経営や学習アドバイスもしている筆者が「こんな選び方をすると失敗するよ」というのをお伝えします。
1失敗パターン①:金額で選ぶ
必ずしも安い塾がダメとは言いません。しかし、「安かろう悪かろう」という言葉があります。安いのには理由があることを知っておかなければなりません。
塾側の立場に立っていただければわかるのですが、安い時給のアルバイト講師を活用すれば、経費が少なく済むので安くできますよね。
しかし、それはつまり安い時給で雇える教える力のない講師が教えている塾であるということが言えます。
教える力のない講師に週1回預けて、良い結果が出るでしょうか。
いくら安くても、質が悪いならお金を払う価値はありません。それなら通わせない方がましかもしれません。
特に学習塾の場合はお子さんの学力や成績、そして将来に関わる大事な問題です。
だから「値段の範囲でできるだけ良い塾を選ぶ」という選び方をしてしまうと後々後悔することもあるでしょう。
まずは良いと思える選択肢を広げることです。それが金銭的事情で通わせられないなら、他の方法を考えていきましょう。
自治体によっては塾に通わせるための助成金がもらえることもあります。
経済的事情はすごく大切です。しかし、どんなに安くても、それが意味のないものならお金を払うべきではないということをお伝えしておきたいです。
2失敗パターン②:知名度で選ぶ
有名塾や大手塾に信頼や安心感を覚える方はとても多いです。
合格実績や周りが通ってるなら間違いないんじゃないか?と思ってしまう気持ちはよくわかります。
もちろん、大手には大手になれた理由がありますし、有名塾は有名な理由があります。
指導システムがしっかりしていたり、何かしら一定の質が保たれている可能性は高いです。
しかし、必ずしも有名だから、大手だから良い選択になるとは限りません。
例えば、これは実際にいただいたご相談なのですが、
神奈川県の小5生の母です。中学受験を目指すため1年ほど前にSAPIXを選んで通わせるようになりました。やはり、みんな通っているし間違いないと思いましたし選ぶときは安心感がありました。
しかし実際に通わせてみると、授業のスタイルも難易度も子どものレベルには合ってなかったようで、ついていけていないことを実感させれました。
親が管理しないとやりきれないという話も聞いたので、管理しようとして、勉強時間を増やしたり、宿題は徹底させましたがうまくいかず。成績が伸びるどころか、辛そうな顔を見ることが増えてしまいました。
通い始める前よりも勉強への苦手意識が高くなってしまったようで、これまでの選択ややり方を後悔し始めています。
どうすれば良いでしょうか。
こんなご相談をいただくことは珍しくありません。
つまり、有名塾だからうまくいくというわけではないのです。
この方の失敗はお子さんの現状のレベルややることを考えるのではなく、中学受験といえば◯◯という周りの声に流されてしまったことです。
本来はお子さんの出来ていないことを把握して、それをしっかりとフォローしながら合格ラインを目指す方法を考えなければならないのです。
大切なのはお子さんが通うべき塾かどうかをきちんと見分けること。
決して、知名度やまわりに流されて選んではいけません。
3失敗パターン③:口コミで選ぶ
どんな評判なのか、周りの親御さんや口コミサイトもとても気になるポイントです。しかし、これ自体も冷静に見なければなりません。
実は、口コミは広告宣伝的な目線で「作られている」場合が多いです。プレゼントがもらえるからクチコミを書くという場合もあります。つまり財力やマーケティング知識のある塾はその分クチコミ対策が出来ます。
あくまで口コミが良いというのは、口コミ対策がうまい塾というだけで中身が良いとは限らないのです。
また、そもそもの話として、評判が良いから「自分の子どもにも合う」とは限りません。
知り合いの方が「良くしてくれる塾でうちの子の成績はすごくあがったから、おすすめだよ」と言ってくれたとします。
しかしそれは、たまたまその子にぴったりだったというだけで、あなたのお子さんに本当に合うかはわかりません。
周りの人が褒めていたからという理由で飛びつくのは衝動買いと変わりません。
だからこそ、口コミを信じるのではなく、足を運び、きちんと納得いくまで質問したり、その塾を丁寧に調べたり、体験授業などを通じて見極める必要があるのです。
4失敗パターン④:目的を明確にしないで選ぶ
塾選びで大切なのは目的=何を身につけさせたいのか?ということです。
漠然と受験対策をしたい、成績が悪いから塾を探しているという親御さんはすごく多いのですが、これはとても大きな間違いをしています。
というのも、塾は成績を上げるために通わせる場所であったとしても、通えば自動的に成績が上がる場所ではないのです。
どんな良い塾にも、出来ることと出来ないことがあります。
楽しい授業で勉強を好きになるきっかけをつくるのが得意な塾もあれば、
手厚いサポートで日々の学習を管理してくれるのが得意な塾もあります。
ハイレベルな授業で受験対策に定評がある塾もあれば、
勉強が好きで得意な子の意欲や好奇心を伸ばすことが得意な塾もあるでしょう。
塾に通わせればすべての問題が解決するなんてことはありません。
例えば、こちらも過去にアドバイスをさせていただいた事例ですが、
お悩み・状況の概要 | 小学校4年生の段階で特に学校の算数もついていけておらず、中学受験は厳しそうな状況。 大手の進学塾に通わせてなんとか挽回したいと考えていた。 |
筆者からのアドバイス | まずは、小学校4年生までの抜け漏れを着実に挽回し自信を取り戻しましょう。 進学塾でまたついていけない経験をしてしまうと、お子さんはより辛い状況に追い込まれてしまいます。 まずは小学校1年生〜4年生までの算数を適切に復習させてくれる塾を見つけるか、映像授業や問題集を使った自学習で苦手を克服してください。 最初の目的は遅れを取り戻すことです。なんとか4年生の間に焦りすぎないようにしながらも着実に挽回して、その後、初級的な受験対策を考えてください。 いまの目的は「中学受験の勉強」ではなく「小4までの算数の挽回」です。 |
このように、もちろん最終目的は中学受験や成績アップというのは問題ありません。
ただ、塾選びは、いま何が必要で、どのようにステップアップさせるか?をきちんと考えなければなりません。
ここを間違ってしまうとお子さんに過度な負担を強いてしまったり、せっかく塾に通っても全然効果が得られなくなってしまいます。
まとめ
塾を選ぶときは、
- 金額で選ぶ
- 知名度や会社の大きさで選ぶ
- 口コミや評判で選ぶ
- 目的をはっきりさせないで選ぶ
この4つをやってしまうと失敗しやすいとお伝えしました。
もちろんこの4つの失敗パターンにあてはまっても、うまくいくケースもあります。
それは、お子さんやお子さんの状況とその塾の相性がたまたま良ければ、うまくいくというだけのこと。
親御さんもお忙しいと思いますし、こういったことを丁寧に考えて選んでいくのはすごく大変な作業です。
しかし、これを意識するかどうかで、通わせるようになってからの悩みは減り、喜びはきっと増えるはずです。
良い選択をされてくださいね。
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